眠れる森
「大丈夫。出来ない奴に俺は言ったりしないから」
右手であごを支えながら用が済んだ紙を、接待用のソファーのテーブルに向かって張られてる銀の糸の上に乗せた
手を離せばシュルっと音を鳴らせながら滑り落ち、テーブルの上の紙束に重なる
一連の動きを見て便利だとは思いつつも、その自信ってどこから来るんだかと不満を持つ
私が出来なかったらどうするのよ。罪悪感感じちゃうじゃない。
「取りあえず、ヤツに判子押してって。」
そう言って指指したのは先程の紙束くん達
おとなしく言われた通りに作業を始めた。
暫らく私の作業の様子を見てから、シルクも自分の作業に入る
「先ずは兵の説明からしよっか」
シルクを見たが、器用にも書類を読みながら話すみたいで、クリアも黙って作業をしながら聞くことにする
「ウチの隊は十二単(じゅうにひとえ)。
12の小隊から7つの隊を構成してるの。よーわ、1つの隊に2つの小隊が属してるわけ」
「でも数が…」
「そ!1つの隊に2つの小隊が5つ。ここで小隊は10。残りの2つはというと、覊匠蕀隊のこと」
「簡単に言えば、結婚済が5隊いて残りの2隊は未婚。つまり独身」
クリアの例に肩を震わす
「まあ〜、そうゆうことだね。
独身の隊、覊匠蕀隊は他の5隊の上でね。そのまた上がレオ。で、最後が俺。これで軍の説明は終わり。ついでに、軍を率いるのは俺だけど王様がいて成り立ってるから」
「うん!全部納得!」
判子も全部押し終えたのか、終わったぁ〜とソファーに横倒れする
「残念だけどまだあるよ。」
ドサッと音をたててテーブルに辿り着いたのは、大量の資料とファイル
持って来た本人を見上げれば、ごく当たり前に指示を出される
「種類別に分けて」
「は…、い」
「ふ、手伝ってあげる」
シルクが隣に座る