突然の幸運

幕間

「お久しぶりです上月さん」


僕は茜ちゃんの両親に挨拶をした。


「本当に久しぶりだなあ」


「ホントにねぇ」


相変わらず優しそうな夫婦だ。


「今回の結婚のお話本当によろしいのですか?僕は九つも上ですよ」


「君なら大丈夫だ」


「見ていてうちの娘を好いていてくれることがわかるもの」


僕ってわかりやすいのか?


「しかし、娘とあれ以来接点なんかあったかね?」


「恥ずかしいので秘密です」


恥ずかしくて言えないよ。


「何も心配いらないわよあなた。茜ちゃんは小さくて覚えていないけれど、セツナくんにとてもなついていたもの」


「そうだな。これから茜のことをよろしく頼む」


そう言って頭を下げてくれたので僕もお辞儀をして


「こちらこそこれからよろしくお願いします」





ーーこれは、顔合わせの時のほんのひとこまーー


ちなみにセツナの両親と茜は御手洗い。


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