カリフォルニア・ガールズなら
「………素敵な女の子がみんな、カリフォルニア・ガールズならね。…」
僕の携帯のめざましは、朝の9時をしらせていた。
妻の姿はなかった。
僕は携帯で、天気予報を見ようとした時、いきなり電話のベルがなった。
おそらく妻がリビングにいるからでてくれるはずだ。
……チリンチリン…チリンチリン…………チリンチリン…
妻はいないようだった。
たぶん、愛犬の散歩に行ってるのだろう。愛犬の散歩は妻の役目だ。2年前に妻がどうしても飼いたいということだったので、ポメラニアンという種類の犬を飼っている。妻はこよなく愛していた。
……チリンチリンチリンチリン………チリンチリンチリンチリン……
一日中なり続けて、止むことはないんじゃないかというくらい電話のベルは僕を呼びつづけた。
僕は60秒くらい悩んだところで、仕方なく、重いからだに意識を集中させ、時間をかけて電話まで辿り着いた。
「もしもし」
「…………」
「もしもし」僕はイライラした。
「山田さんのお宅ですか?」
「そのとおり」
「実は山田さまのお犬の件でお電話させていただきました」
「犬…?」
「"そのとおり"」
僕は久々に腹がたった。
「犬なら今妻が散歩に連れていきました。かけ直してください。」
「そうですか…ではまたかけ直すとしま……
僕は電話を切った。