love letter



寝たふりをしている間


矢田くんがトイレに立つと

周りの人たちの話し声だけが聴こえてきた




「マーちゃんてホント愛されてるよね」


「うん、そう思う」


「矢田ってばマーちゃんしか見えてない」


「ねぇ、あんたちょっとマーちゃんの隣に寝てみたら?」


「嫌だよ! 矢田、本気で怒る」


「なんかさ、さっきの良いよね。マーちゃんずっと矢田に守られてるって感じで」


「うん、包む感じで隣にいたよね」





周りの声を

ドキドキしながら聴いてた



本当は起きてる…

そんなこと絶対に言えない




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