love letter

キス




定期演奏会の3日前。


私は覚えが悪くて焦ってた。



こんなんじゃ先輩たちとの最後の演奏が……


合奏練習中に顧問の先生に個人指導まで受けてる私。




焦りだけが積もっていく私の耳に、離れた席にいる先輩が声を出した。



「緊張すんな」




顔も見えてないのに、先輩は私の心境を当てた。


それも、すっごく軽い声で……。




その声のおかげで、私の周りにあった重たい空気を吹き飛ばしてくれたように軽くなった。







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