君がいた風景
記憶
ドンッ!

「すみません…」

「チッ」


若者の多いこの街で、ぶつかる度に舌打ちされることはよくあることだった。


青山春人はいつものように人混みの中を歩いていた。



「仕事帰りにこの人混み…どうにかならないかな…」


そんなことを毎日呟いていた。


「おーい!青山さーん!」

ぼーっと歩いていると、誰かが後ろから呼ぶのが聞こえた。


「はぁはぁ…、青山さん…帰るの早いっす。」


振り返ると同僚の山下哲也が息を切らしながら、笑顔で立っていた。

春人よりも身長が8センチほど高く、年齢は3つ若い。

笑顔は爽やかでイケメンという言葉がぴったりな男。


「ああ、ごめん。なんだか今日は気分が乗らなくて…無言で出てきちまったみたいだな。」

「今日は俺の行きつけに青山さんをお誘いしようと思ってたんですよ!」

「行きつけ?」

春人は哲也に連れられて、すぐ近くの小さなバーに入った。



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