君がいた風景
「えっと…ばぁちゃんと一緒に写真撮ってほしいんだ」

「へっ?それだけ?」

「う、うん」

「…かまわないけど、本当にそれだけなのか?」

「え…うん…、なんで?」

「いや…、でもなんで写真を?」

春人が質問すると、拓磨はまたもじもじしながら下を向いた。

「もうすぐ、ばあちゃんの…誕生日なんだ。だから、写真立て作ってプレゼントするんだ!!」

「へぇ〜なるほどね!それは喜ぶなっ!」

「うん!初めてあげるプレゼントなんだから、ちゃんと撮ってくれよな!」

「おう、まかせろ。つーか、お前…なんか今日かわいいな」

春人がぐしゃぐしゃに頭をなでると、拓磨はまた真っ赤になって春人の手を振り払った。

「かわいくねぇよ!オレはかっこいいオオカミになるんだからな!」

拓磨の言葉を聞いて春人はまたカワイイなと心の中で思いながら微笑んだ。

「じゃっ、春人またあとでな!」

「おう、カメラ持ってあとで行くから」

「頼んだぞ!」

拓磨は手を振りながら満面の笑みで部屋を出て行った。


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