君がいた風景
春人は、準備を済ませると拓磨を探しに部屋を出た。


フロントのほうに行くと、ちょうど拓磨と女将が話をしていた。


「おーい、拓磨!」

「ん?」

カシャッ!

「あっはは!アホ面!」

「春人!噛むぞ〜!」


「おっ、いいのか?俺にそんなこと言って…」

「…!」

拓磨の顔は一気に真っ赤になった。


「お前はまた…ハハ、なんかリンゴが食いたくなってきた」

「オレはリンゴじゃないぞ!」

「ハハッ、わかってるよ!…そんなことより女将さん、お願いがあります」

「はい?なんでしょうか?」

「拓磨とのツーショットを撮らせてほしいなって…思いまして…」

「ばぁちゃん!撮ってもらおうよ!」

「あら、いいのかしら?こんな年寄りがモデルで。ふふ。」

「女将さんはとてもおキレイですよ。それじゃぁ、拓磨!隣に寄って!」

「うん!」

「女将さんは、そこのイスに…」

「あ、はいわかりました。」

「拓磨はその横に立っててな。」

「おう、春人!ピースしていい?」

「ハハッ!勝手にしろよ!ハイ、チーズ!」


カシャッ!!


「うん!いいのが撮れたぞ!もう一枚行くよー!」


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