君がいた風景
春人は帰りの列車で、握手をした手を見つめていた。


「ホントに…濃い夏休みだったな…」


列車の窓から景色を見ていると、ふと拓磨に渡されたものを思い出した。


「なんだろう…」


袋を開けてみると、小さなビンが入っていた。


そのビンの中には…白いキレイな貝殻が入っていた。


「あいつ…同じこと考えやがって…」


春人は温かな笑顔で涙を拭いた。


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