君がいた風景
しばらくすると、哲也は酔い潰れてしまった。


「まったく…飲み過ぎだよな…」


春人が呟くと、陽子は笑った。


「でも山下さん、とっても面白い人。」


「ああ…こいつはなんだかカワイイよ。ずっと前に出会った少年を思い出す」


春人は拓磨は今どうしているか…気になっていた。


「そう、その少年も面白い子だったのね」


「ああ、かなりね。でもあいつは生涯で一番の親友だと思ってる。」


「へぇ〜、なんか素敵ですね」


「まぁ、っていっても10コ以上年下なんだけどね。はは…、でもなぜか…あいつとは通じ合うものがあった…懐かしいなぁ…」


「全然会っていないの?」


「うん…、もう6年。あいつも中学生になってるかな。会いたいなぁ」


「ふふ、中学生の親友かぁ…なんかカワイイわね」


「うん、あ…じゃぁ、そろそろ俺達帰るよ。山下もこんなんだし」


「あ、私も…」


帰ろうとする春人の腕を掴んだ陽子は、私も帰ると言ってついてきた。
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