君がいた風景
「お、お前…!でっかくなりやがって!」


嬉しくなった春人は、今度は自分から拓磨を抱きしめた。


「春人が6年もほったらかしにするからだろ!オレもう中学生なんだぜ!」


「うんうん、悪かったよ!でも…ホントに会えて良かった!」


二人は顔を見合わせて笑った。


「そういえば…さっき…川の所に女の子といなかったか?その時は拓磨って気づかなかったけど…」


「えっ…あ…見たのか?」


拓磨の顔が徐々に赤くなった。


「春人…覚えてるかな…。あの子、マナちゃん」


「あ、あのマナちゃんか!!付き合ってるのか?」


拓磨は恥ずかしそうに頷いた。


「このマセガキめ〜!良かったじゃねぇか!」


春人は自分のことのように喜んで、拓磨の肩にガシっと絡んだ。


「まぁな!へへ」


拓磨は自慢げに笑った。
< 59 / 65 >

この作品をシェア

pagetop