君がいた風景
あっという間に帰る日になってしまった。


「じゃぁ…拓磨…また必ず来るからな」


「そんなこと言って…次は10年後とかなんだろっ」


「ははは…ごめんって!じゃぁ…また来年来るよ。約束する」


春人は真剣な眼差しで言いながら、手を差し出した。


「うん、待ってるよ」


二人は6年前のようにかたい握手をした。


拓磨は春人の後ろ姿をいつまでも見送っていた。


春人の幸せを願いながら…。
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