タナトスの光
そんなつもりは、全然なかった。

少女漫画の世界じゃあるまいし。
予想以上に。
きれいに、神聖なモノだなんて。
そこまであたしは、清純派ぶってなんかいない。

それでも。
もしあるとすれば。
それはあたしがもう少し、大人になってから。

最低でも。
自分自身に、責任が持てるように。
心があと少し、成長してから。

いつのまにか。
お互いのことを尊重しあえる、大切な人に出会ったときにでも、失うモノだと。
あたしはずっと、勝手に、漠然とそう思っていた。
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