タナトスの光
「そりゃぁさぁ、死にたくなる系だよねぇ。家に帰って来てもぉ、ずっと独りだしぃ。友達系彼氏ぃ?だと思ってた奴にはぁ、襲われそうになっちゃうしぃ。」

あたしが口をはさめないくらい、彼女はペラペラとひとり、しゃべり続けている。

「そぉんでもってぇ。初めてのデートじゃん?“邪魔が入らないように、ふたりきりでずっといたいから、携帯はお互いに持って来ないでおこうよ”とか言われちゃったりしたらぁ。やっぱマジ従うよねぇ。素敵ぃ~、濃密系?みたいなぁ?」

彼女の勢いはとまる様子がない。

「でもさぁ。車ってぇ、なんつぅか動く密室じゃん?バーガーショップでぇ、夕食してるときにぃ、声かけてきた軽ノリメンズはヤバくね?まぁ、話し聞いてくれたっつったらぁ、癒し系?みたいなぁ、悪い人にもぉ見えないっつぅかぁ。有名私立大つぅのもぉポイント高いしぃ。もうその時点でぇ、友達系彼氏ぃ?みたいなぁ?」

「あの!」
あたしは話しをさえぎるように、声を出していた。
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