ブレイク
第1章 壊れた国
じわじわと照りつける太陽。

今日も暑い日が続いていた。

じっとしていても汗がにじみ出てくる。

「あっちーな…。」

俺はシャツの裾をパタパタさせながら呟いた。

すぐにシャツが体に貼りつく。

「ちっ!」

舌打ちするとシャツを脱いだ。

時折吹く生ぬるい風が、それでも素肌に直接当たるといくらかは涼しく感じる。

今日もダメだったか…―。

つい30分程前の言葉が蘇る。

「君ねぇ…
何を考えてんの?
ただでさえ仕事が少ない世の中なのに、君みたいなスラムの人間に与える仕事なんてあるわけないでしょ。
悪いけど、うちじゃ使えないね。」

思い出すと無性に腹が立ってきた。

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