ブレイク
「嫌だ…―
嘘だ…嘘だ…
リンっっ!!!」

「ハヤトしっかりしろっ!!
行くんだ!
とにかく今は逃げるんだっ!!」

シンに腕を掴まれたが、リンを置いて行けるわけなかった。
「リンは…リンを連れて行かなきゃ…。
手当てしてやらなきゃ…―」


「ハヤト!!
しっかりするんだ!
リンちゃんは…もう死んでいる!!!」

「嘘だっっ!!
嘘だぁぁ!!!」

「ハヤト、後で必ずリンちゃんを迎えに来よう!
だから、今は逃げるんだっ!!」

シンは倒れている男から銃を取ると、俺に握らせた。

「行くぞハヤト!!
いいか、俺がいいと言うまで決して止まるなっ!!」

「でもリンが…!」

「よく見ろ!
リンちゃんはもう死んでいるんだ!!」

真っ赤に染まったリンの体…。

ピクリとも動かない…―。

開いたままの瞳…―。

両親の時と同じだった。

あの時と…―。


リンも、もう二度と…―。

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