ブレイク
「ちっ!」

シンが舌打ちをした。

「どうしたんだ!?」

「もう弾がないっ!
予備の弾も使っちまった!」

「えっ!?」

「お前の銃、あと何発ある!?」

「分からない!」

「貸せ!」

俺はすぐシンに銃を渡した。

弾倉を確認すると、シンは再び舌打ちした。

「あと1発か…。」
その言葉に驚いてシンを見る。

「大丈夫だ、ハヤト。」

そう言うと、シンはくるりと後ろを向いて止まった。

そして、銃を構える。

軍服の男もシンに銃口を向けた。

シンは大きく息を吸い込んだ。

銃声が響く。

「シン!!」

2人とも銃を構え、立ったままだ。

どうなったんだ…?

軍服の男がゆっくりと、地面に崩れ落ちた。

その額の真ん中には、穴が1つ空いていた。

みるみるうちにそこから血が溢れだした。

「行くぞハヤト!」

シンはくるりと向きを変え、走り出した。

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