みどりちゃんの初恋
たまに見せる笑顔にドキドキしながらも北海道に住んでいた時の話とか、こっちに戻ってきてからの話を教えてくれた。
「あははっ!ヒロっちって昔からあんなに無口だったんだあっ」
「きっと小学生の時からあんなんだったんだよ」
けたけたとお腹を抱えて笑うあたし達。
「そういえばこんな写真もあ――」
「随分と楽しそうだな」
………ん?今ヒロっちの声が聞こえたような。でも、ドアが開く音してないし。まあ、気のせ――
「お?ヒロ。遅かったね」
――いじゃないみたい!
「ヒロっちおかえ――」
「いつからそこにいたの?趣味悪いなあ。大胆な立ち聞きなんて」
「俺の話くらいだ。立ち聞きじゃない。戻ってきたらお前らが話してて、俺に気付かなかっただけだろ。 ――それより。カゲてめえ――」
「よくも騙してくれたな、は聞き飽きてるから止めてよね」
あのお……?
「……ちっ。相変わらずだな」
「ありがとう」
あたしのこと忘れてますよねえ?
「褒めてないけど」
――って。なんで総くんしらばっくれてあたしの手ぇ握ってるのぉおお?!