みどりちゃんの初恋

 音になったあたしの気持ちはヒロっちには届かない。

 だから、それを受け入れたくなくてあたしは生徒会室を飛び出した。

 わーっ!! 言っちゃったよーっ!! どうしよどうしよどうしようーっ!!

 えっ……あたし、明日からの生徒会とか気まず――くない?もしかしてっていうか、いつもそんなに話さないしね……。

 でも。その少し話せるのがすごく嬉しかったのにな。

 とりあえず、ちぃに言わなきゃだよね、うん。玉砕しましたって。

 ……やっぱ、だめ……辛いよぉ。

 もうヒロっちと少しだけ話すってことも、一緒に帰るってことも、ないんだ。

 あたしより先に生徒会室を出るくせに、絶対ここ――下駄箱の前であたしが来るのを待っててくれてたんだよね。

 遅い、って言いながらも一度だけ頭をポンってしてくれたの、

「すきだったなー」

 でも、それももうないんだよね……。

 いつもいてくれるはずのヒロっちがそこにはいなくて。いることが当たり前になっていたあたしの心はなんだかスースーする。

「……ふうっ」

 その場に座り込んだあたしは膝を抱えてそれを濡らす。

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