みどりちゃんの初恋
「……笠井」
優しい声に目を開ける。すると、声とは真逆の真剣な顔のヒロっちと目が合った。
熱を持つあたしの頬を優しく撫でたヒロっちは「分かったんだ」と呟いた。
「なに、が……?」
まだ少し息が上がるあたしは、必死に声を出して聞き出す。
「カゲとお前がふたりっきりでいたり、お前がカゲの話しをしたり、二人で勝手に盛り上がってたりすると、イライラしてたんだ」
「それって……」
ふっ、と自分を嘲笑うように鼻で笑ったヒロっちは、
「認めたくないが、ただの嫉妬だ」
ぽんぽんとあたしの頭を撫でながらそう言った。
……ていうか!
「認めたくないって何?! いーじゃんっ!あたし彼女だし?ヒロっちが、あたしのこと……好きならいいじゃん……。 だって、やきもちでしょ?」
やきもちだって聞いて、嬉しいけど、認めたくないって……。悲しいじゃん。
「相変わらずバカだな。俺が嫉妬するなんて予想外だったんだ。 お前をこんなに好きだったことを、気付かなかった。 里美に告白されて、お前の顔を見て分かったんだよ。告白されて嬉しかったのはお前だけだった、ってな」
ヒロっち……ん? あれ? 今、なんだか悪い言葉が聞こえてきた気が……。
「こ、告白ぅうう?!!!」