みどりちゃんの初恋

 里美ちゃんヒロっちに言ったんだ。ていうか!言っちゃったんだ……。

 ヒロっちは里美ちゃんに告白されて何て言ったんだろ。で、でも!

「ふっ。そんなに気にしなくたっていいだろ。ちゃんと断った」

 だからそんなにちらちら見るな、とヒロっちはあたしの頭を撫でてくれた。

「だっ……てっ――」

 里美ちゃん年下なのにきれいじゃん。 と言いかけて、口を閉じた。

 『告白されて嬉しかったのはお前だけだった』って言われただけで、それだけでいいかなって思ったから。

 口を開けたままのあたしを、なに?といった感じで見るヒロっちに、慌てて笑った。

「ねえっ。いつ帰るの?ここちぃの部屋だって言ったよね?婚約したばっかの二人にお邪魔でしょ?」

 だからヒロっち早く帰ろうよ、と立ち上がったあたし。を、下から見上げる眼鏡の奥の黒い瞳。 ま、まさか、ヒロっちの上目遣い?!

「そのことなん――」

 バンッ!!

「あ。 ちぃ、なんか色々とごめ――」

「みどり。私が新品の勝負下着貸してあげるから安心しなさい」

「え? 何言っ――」

「何って、お泊まりよ。お・と・ま・り」

 おっ、お泊まり?!

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