THE DEATH

「最初は役人にも説明をしたが、岩に潰された兄をみて気が動転してると思われてな…確かにこの姿で19歳と名乗る訳にはいかない」


また髪の毛をワシワシとかきあげる、この少年の…男のクセなのかもしれない。


「そこにこの伝染病……、やっぱり関係がないようには思えなくてな」


そこでストークが口をはさんだ。


「アンタは『夢』をみたことは?」


「…どういうことだい?」


病にかかる前に必ずみる『夢』…

ストークが説明をするとジェイドが答えた。


「夢…、弟が話しかけてくる夢を…よくみる」

死神4人が顔を見合わせうなずいた。


「詳しく内容を教えていただけますか?」


カロンが高めの椅子からポンと飛びおり、荷物から、布にくるまれたメモ用のペンと羊皮紙を取り出した。


「オレに向かってアイツが話しかけて……いや、なんでもない」


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