THE DEATH
「なに?ちゃんと言いなさいねん」
ニコニコと笑いながら、ジェイドの細い首を鷲掴みするカノー。
彼女の腕力は、子供の首など一瞬でへし折ってしまう程のものである。
「…っ!うぐぐ…やめ…別に大した…ことじゃ」
「さっさと言いなさい、大したことかどうかは私が判断してあげる」
笑ってはいるが目が笑っていない。
「…だから夢だって!訳わかんねーよ、『兄ちゃん、僕じゃない』ってそんだけだっ…!」
「…ふぅん」
カノーが力を緩めて、ジェイドは解放される。
「…どういうことかな」
ストークがつぶやくと、カロンも首をかしげる。
「うーん、オニキスがこの状況を引き起こしているというのが濃厚ですが…『僕じゃない』ですか」
「本当にただの夢かもしれないわよん」