夏の青 ・


『例えるなら あたしって何色?』


朝一番に、友達から受信したメールだった。





「…白?」

「黒とも迷ったけど…
 白かな」

教室に入ると、例の友達、カヨがポッキー片手に私の席に座っていた


「黒と迷ったって…正反対じゃん!
 肌が白いから『白』とかナシねー」

「そういう訳じゃないけどそれも含めて白、かな。」

「…例えば?」

カヨがポッキーを差し出す

私は1本だけ抜き取り、口に運んだ。
ほろ苦いチョコレートの味がほのかに広がる。

「えー例えば……」

「心が白い!」

「それはないけどさ」

「…」


教室には物静かな男子が一人、そして私たちしか居ない。

電車時間の関係で他の生徒たちよりも早くに登校するからだ。


「心の中なんて見たことないもん」


私は言った。


「まあね。」

「あれが白いから白、とか
 具体的な白の対象はないよ」

「ふーん…
 つまんない。」




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