白いジャージ2 ~先生と青い空~



私も同じ姿勢で砂の上に寝転んだ。


砂の温かさが心地よくて目を閉じる。





鳥の鳴き声。

波の音。




どんな鳥なのかわからないけど、不思議な音を出す鳥。




『ボーーーンボーーン』…って。





「鳩時計みたいな鳴き声だなぁ、あの鳥。あの音聞くと思い出すな!」




先生と同じことを思い出していた。


私と先生のお気に入りのステーキハウス。

鳩時計のたくさんある不思議な雰囲気。



去年のクリスマス、先生が探してくれた素敵なお店。




娘さんにプレゼントを渡しに行った先生は、

クリスマスの夜、晩御飯に、ステーキをごちそうしてくれた。




何度も謝りながら、先生は車を走らせた。


謝らなくていいのに…




先生の大事な娘さんのこと、私も大事に思ってるんだよ。



無理してるわけじゃなく、本当にそう思えるんだよ。




「直、あの時はありがとな。プレゼント選んでくれて…」



不思議な鳥は、鳴き声だけを残し、海の向こうへ消えて行く。








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