白いジャージ2 ~先生と青い空~
「初めて付き合ったのは中学の頃だった。まだ、付き合うってことがどういうことかわかんなくて、結局うまくは行かなかった。」
中学時代の先生は、陸上部なのに時々サッカー部にも顔を出していた。
勉強の成績は普通で、よく遅刻をしていたらしい。
もちろん体育の成績は、ずば抜けて良かったんだよね。
先生の初恋はその頃。
同じクラスの女の子を好きになって、グループでボーリングに行ったり、遊園地に行ったりしているうちに、告白された。
でも、好きだとも一度も言えないまま、気まずくなって別れたんだって。
私の中学時代を思い出してみても、そういう恋が多かった。
中学の恋はまだ子供の恋なのかな。
気持ちは本気なんだけど、どうしていいのか、何をすればいいのかよくわからなかった。
だから、ゆかりと龍はみんなの憧れだったんだぁ。
「手も繋いでねぇから!!」
やきもちを焼いている私の顔はすぐに見破られるようだ。
先生は、慌てて私の顔を覗きこむ。
「先生にもそんな頃があったんだね…」
「そうだな… お前にもあったんだよな。不思議だな。お互いに知らない頃があったなんてな。」