白いジャージ2 ~先生と青い空~



曇りガラスの向こう側に見えた白い影。



「先生!!」



慌ててお風呂の扉を開けようとして、ハッと気付いて湯船に体を沈めた。



「エッチ!!」





「待ってるからゆっくりおいで。」





幸せだなぁってしみじみ感じるんだ。



『おいで』なんて言われちゃった。


先生に、あんな優しい声で話しかけられると、お湯の中にさっき浮かべた入浴剤のようにすぐに溶けちゃいそうになる。




風呂場のタイルに書く。



『あらがきなお』





キャッ!!



ドキドキ。




いつか、なれるんだね。



『新垣 直』に…



夢みたい。




『はい、新垣です!』なんて電話に出るの?



『新垣さんの奥さん!』とか言われちゃうの?



先生に『うちの嫁がさ…』なんて言われちゃったりして?







あぁ、顔が熱い。


心も熱い。



のぼせちゃうよぉ、先生。






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