白いジャージ2 ~先生と青い空~
「どうも、初めまして。尾崎と言います。」
右手を差し出してくれた尾崎さんと握手して、自己紹介をしようとした。
でも、名前以外、先生との関係を何と言っていいのかわからず、口ごもる。
「あ、俺の彼女です。まぁ、婚約者なんですけどね。あはははは。」
先生はそう言って、私の頭に手を乗せた。
そうしているうちに、さっきの宿のおじいさんが登場して、挨拶を始めた。
その間、ずっと気になっていたのは、向かい側に座る女性の視線。
私より年上であろうその女性は私にないものをたくさん持っているような気がした。
日に焼けた肌と、南国風の服装。
焼酎をロックで飲みながら、おつまみを食べていた。
彼女は、おじいさんの方を見なかった。
ずっと、先生を見ていた。