白いジャージ2 ~先生と青い空~
「どこから来たって?」
先生が大きな声で、その子にもう一度聞いた。
こういう所も教師らしいなって尊敬しちゃうんだ。
「ツバルです。」
日本語を話せるのか、彼はしっかりとした発音で答えた。
誰もその国名を知らないような顔をしていた。
私自身もそんな国があることを知らなかった。
先生が、ため息をついて、お酒に手を伸ばす。
そして、私の耳元で言った。
「直は知ってるか?ツバルって国。地球温暖化で、沈んでしまうかも知れないと言われている島なんだ。」
先生の知識に驚くと同時に、そんな現状を知らなかった自分を恥ずかしく思う。
こんな立派な人の彼女なのに私は何も知らない。