白いジャージ2 ~先生と青い空~

南の島での出逢い




「一緒に良いですか?」



元気良く私の隣のベンチに座ったのは、3人組だった。



「私、ともって言うの。お酒飲んでないってことは、高校生?」



ともと名乗った女の子は、真っ黒の長い髪で大きな瞳が印象的だった。


この島で真っ黒な髪の人を見るのは珍しいような気がした。


ここに集まる女性のほとんどが茶色っぽい髪をしていた。




「専門学校生です。まだ20歳じゃないから。あ、私は直って言います。」



私は同年代らしき3人が集まってくれたことにホッとしていた。


大人ばかりの中に一人自分がいることが辛く感じていた。



いつもとちょっと違う先生もなんだか嫌だった。



お酒を飲む姿は、私の家でしか見たことがなかったからかも知れない。


お酒に弱い先生は、少しのアルコールですぐ赤くなり、気分が良くなるんだ。




悪酔いしたり、酒癖が悪いわけじゃなく、いつも上機嫌になるだけだった。



「ねぇ、彼氏かっこいいね。」



ともちゃんは、そう言って、先生を指差した。




< 165 / 354 >

この作品をシェア

pagetop