白いジャージ2 ~先生と青い空~
「先生!!」
何焦ってるんだろ、私。
大事な宝物を誰かに取られそうになって必死になる子供みたい。
「おせ~よ。お前がいないから、誘拐されそうになっただろ~!」
ベンチに座った先生が、眠そうな目で私を睨む。
そう言って、先生は視線を雅子さんの部屋の方へ向けた。
「誘拐?大丈夫だった?」
「大丈夫。俺、一途だから。直一筋だから!」
ベンチに座った先生が、にっこりと微笑んで両手を広げた。
その両手の中に飛び込んで、先生の胸に顔をくっつけた。