白いジャージ2 ~先生と青い空~
コンクリートの道を歩き慣れた私達は、この島の貝殻だらけの道に懐かしさを感じた。
テレビのない部屋は、鳥の鳴き声や、風の音までもが聞こえるようで自然と共に暮らしているんだと思えた。
「俺、直がもっともっと好きになったよ。」
髪を撫でる手。
頬に当たるひげが気持ちいいんだ。
「私も、先生がもっと好きになっちゃったよ。」
窓の外を眺めながら、いろんなことを考えた。
昔の日本を私は知らないけれど、きっとこんな風に自然と対話しながら人々は生きていたんじゃないかって思う。
太陽の位置で、時の流れを感じ、
月の満ち欠けで、季節の移り変わりを知る。
時間に追われることなく過ごすと、一日はこんなにも長いんだと気付いた。
「明日もいっぱい遊ぼうな。」
先生は、私のおでこに長いキスをした。