白いジャージ2 ~先生と青い空~
自転車をゆっくりとこぎながら、もうすっかり覚えた道を行く。
もうずっとここに住んでいるような気分になっていた。
すれ違う牛は、もう俺を覚えてくれた?
初めて会うポニーが、物珍しそうに俺を見つめた。
朝日と共に始まる一日。
まだ抜けていない酒を全部洗い流してくれるような日の出の始まり。
ゆっくりとゆっくりと空の色を変えて行く朝日。
真っ暗な俺の心をカラフルに染めた直のようだった。
俺は朝日を見つめながら、俺の肩に頭を置く直を想う。
昨日の夜の直の涙…
俺は忘れない。
まだまだ俺も、直にふさわしい男になれていないんだと感じた。