白いジャージ2 ~先生と青い空~

「じゃあ、先生…モテなくなってよ!!」



困る顔が見たくて、究極のわがままを言ってみる。



困るよね。

だって無理だもん。



先生は何をしていても、いつでもどこでもかっこよくて、

そこにいるだけで人の視線を集めてしまうんだ。




先生に罪はない。



「ばぁか!直のばーか!モテね~し…」



そんなかわいい顔してスネたって、そんな嘘…信じないよ。



「モテるもん…きっと先生は一生モテるんだよ。」



先生の伸びたひげに手を伸ばす。


チクっとする感触が好き。



「モテてもモテなくても、俺の気持ちは直だけだって!!それに、俺を本当に愛してくれてんのは、お前だけ…」



色紙に書いて、部屋に飾っておきたいようなセリフを先生はサラっと言ってくれた。


これから先、不安になった時、今の言葉を思い出して、唇を噛み締めよう。



愛されてるんだ…って自分に言い聞かせて、

未来のたくさんの「やきもち」を乗り越えていこう。








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