白いジャージ2 ~先生と青い空~
直が走って行った時、俺はすぐに席を立った。
友達3人が直の名前を呼んだ時、俺は自分の失敗に気付いた。
「待って!」
立ち上がった俺の腕を掴む人。
雅子さんだった。
一人で世界を旅する彼女は自立していて、大人に見えた。
昔、教師を目指していたという話も聞いていた。
男なんて必要ない女性に見えた。
しかし、俺の腕を掴んだ彼女の目は、一人で生きていけるほど強い目をしてはいなかった。
すがるような瞳で俺を見つめた。