白いジャージ2 ~先生と青い空~
俺はゆっくりとその手を払いのけ、言った。
「ごめん。大事な彼女なんで…」
俺は、彼女の目を見ずにそう言って、直を追いかけた。
その時やっと俺は気付く。
雅子さんが俺に何かを求めていることに。
雅子さんが走ってどこかへ行ったが、俺には関係ない。
俺が今心配なのは、直だけだから。
直は言う。
『信じることとやきもちを焼くことってどういう関係?』
いつも俺は答えられない。
信じていればやきもちを焼かないのかと聞かれれば、それは違うような気がした。
俺は直を信じている。
直も俺を信じている。
でも、嫉妬心は消えることはない。