白いジャージ2 ~先生と青い空~
酔っ払った俺はベンチに横になり、直に頭を撫でられていた。
今夜でお別れだという旅人達と別れを惜しみつつ、夜は更けてゆく。
「直と俺はどうしてこんなにラブラブなの?」
俺の質問に直はただ笑っていた。
直は辺りをキョロキョロと見回していた。
俺にはわかった。
直が探しているのは雅子さんだ。
雅子さんは、宿には戻らずに散歩へ出かけた。
誘うような目で俺を見ながら、手を振った。
直を悲しませてまで、話したい相手ではない。
彼女がいると知っていて、俺を誘う雅子さんは第一印象とはかなり違った人だ。
自立した大人の女性ではなく、
寂しさを素直に表現できない強がりな女性。