白いジャージ2 ~先生と青い空~


ゴーグル越しに見えた世界。



それは、言葉では表現できないほどの感動だった。




「すっげーーーーー!」



水面から顔を出した先生は、私の顔を両手で挟み、大きな声を出した。



「本当にすごいね!!!先生!!」



私も先生の顔を両手で挟む。




誰も見ていないことを確認して、私達は抱き合った。




少し慣れた頃には、魚と一緒に泳いでいるような感覚を味わうことが出来た。




手を伸ばすと魚が近寄ってきてくれることもあった。




海の中は私の知らないものばかりで、ここで魚達は毎日暮らしてるんだ~ってしみじみ考えた。



魚には魚の世界があるんだ。



少し深い場所に行くと、そこには見たこともないカラフルな魚がいた。


岩の下に隠れたり、顔を出したりするお茶目な魚だった。





泳ぐのに疲れると、私と先生はただ海に浮かんだ。



でも、背中についた浮き輪のせいで上を向いて浮かぶことができなかった。








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