白いジャージ2 ~先生と青い空~
先生は、車のエンジンをかけながら、あごと肩の間に携帯電話を挟み、お母さんに電話をかけた。
「大丈夫ですか?救急車は来ましたか?今、お父さんの主治医の方に電話して聞きました。手がしびれたり、体に異常があれば、大変ですが、今のところ大丈夫だろうとのことです。とにかく、救急車で病院へ行って、調べてもらいましょう。」
私は何も出来なかった。
ただ不安で押しつぶされそうな胸を、
どうやって落ち着かせればいいのか考えていた。
先生は、教師の顔をしていた。
なんだか手の届かない偉い人のように見えた。
頼りになる先生に…
「ありがとう」しか言えなかった。