白いジャージ2 ~先生と青い空~


「先生、苦しい。…なんか苦しいよ…」




私は体の異常に気付き、先生の左腕に触れた。




「どした?大丈夫か?」




先生は側道に車を停めた。





「直、大丈夫か?多分、心配で過呼吸気味になっているんだろう。俺の上着かぶってろ。その中で息してたら、すぐに楽になるから!」




先生がいつの間にか脱いでいた白いジャージ。




それを私の顔にかぶせてくれた。



聞いたことがある。


過呼吸になると、体の仲の酸素が多くなり過ぎて、

吸っても吸っても息苦しくなる。



自分の吐いた息を吸うと、酸素の量が調節されて、楽になる…と。



高校時代、紙袋を口に当てて呼吸をしている同級生を見たことがある。




先生はスーパーマン。




先生は何でもわかるんだね。



私の事を私よりもわかってくれる。




すぐに楽になるから…



その言葉通り、すぐに楽になった。






「先生、大丈夫…楽になった。」



「おお!そうか。しばらくそのままにしてろ!」




いつもより少し乱暴な語尾から、

先生の必死さが伝わってくる。






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