白いジャージ2 ~先生と青い空~


赤茶色の古びたベンチが並ぶ。



そこに座るお母さんの姿を見つけた。



ぎゅっとハンカチを手に握り締める姿に涙が溢れた。



「お母さん!!」



駆け寄った私は、お母さんを抱きしめた。






先生は、自動販売機で温かいお茶を買ってくれていた。



「お母さん、大丈夫ですか?お茶どーぞ。」



優しくて穏やかな声。




何も心配しなくていいんだ、先生がいれば何とかなる…


そう思える声。




お母さんの手が震えていた。



一人で

不安で…

怖くて、手の震えが止まらなかったんだ。



温かいお茶を一口飲んだお母さんが、今日のお父さんの様子を詳しく話してくれた。









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