白いジャージ2 ~先生と青い空~
恐怖の一夜
付き添い分のベッドがなく、
今夜お父さんとお母さんが泊まるはずだった旅館へと向かう。
「明日の朝すぐ来るからね!」
そう言うと、お父さんはいつもの笑顔で手を振った。
一晩寝て、明日元のお父さんに戻っていてくれることを願った。
3人とも、星に願いながら旅館へと向かった。
でも、
『そんなはずない』
『そんなの無理だ』
と・・・
どこからか声が聞こえて
涙が止まらなかった。
自分でもわかっていた。
これはすごく恐ろしいことなんだって。
お父さんがこのままの状態でいることが、
うちの家族をどう変えてしまうのか…
わかっていても
受け入れることが怖くて、
考えることから逃げたくて、かすかな望みを信じようとしていた。
旅館までの1時間の道のり。
お母さんが私の頭を撫でていてくれた。
支えなきゃいけないのに…
私がお母さんを支えなきゃいけないのに、やっぱりお母さんの優しい手に甘えてしまう。
涙が止まらない。
もっと強くならなきゃ…