白いジャージ2 ~先生と青い空~


「お兄ちゃん頑張って!!」



子供の声に、先生は『おう!任せとけ!』と答えた。



やばいって!


先生、超かっこいいよ…





先生の片足はもう水の中だった。



きっとそこはとても深い海。


先生が錆びた堤防の手すりを離したら、落ちちゃうのに…



先生はちっとも怖くなさそうに、笑ってる。




「お!!取れたぞ~!」




虫取り網に引っかかった緑色のビーチサンダルは

無事に持ち主の男の子の元へ戻った。




深々と頭を下げるご両親に、先生は笑顔で「たいしたことないですよ」と笑った。




なんだか・・・


嬉しくて涙が出た。




こんなかっこいい

強い スーパーマンのような人が彼氏なんだ。




羨ましそうに私を見る人々の視線を感じながら、

照れ臭いような、自慢したいような気分だった。



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