白いジャージ2 ~先生と青い空~
人の噂は恐ろしい。
私を軽いと言う人がいるなら、会ってみたい。
こんなにも先生一筋で先生しか見えていないのに…
「あのね…実は、話があって。」
帰り支度をしていた結衣さんが代わりに店に入ってくれて、私とモミジは着替え室で話をすることになった。
何も知らないモミジは少し震える私の手を見て、不思議そうな顔をしていた。
「モミジ、本当にごめん!私、本当のことが言えなくて…」
パン屋さん独特のイースト菌の匂いと、生温かい空気。
手の震えが止まらなかった。
「先生と……付き合ってるんだ。」
何が何だかわからない表情でモミジは私を見つめていた。
「ごめんね…モミジの好きな新垣先生の彼女って私なんだ……」