白いジャージ2 ~先生と青い空~
あれから1年と少し。
少しは彼氏と彼女らしくなれたのかな。
卒業して、福祉の専門学校に入学した私はこの春2年生となった。
『5月の沖縄は最高』
先生が沖縄出身の生徒から聞いたその情報を信じて、5月の沖縄旅行が実現した。
本当に最高なんだ。
真夏の暑さとは少し違う、爽やかな初夏の暑さ。
風が強く、遠い遠い外国の風が届いているようだった。
去年の夏も、秋も旅行を計画していた。
どれもギリギリでキャンセルになり、3度目の正直。
『海外は新婚旅行に取っとこうな!』
先生のそのセリフにニヤけちゃったっけ。
旅行のパンフレットを見ながら、計画を立てる時間が幸せだった。
ソファに座って、パンフレットを眺めていると、いつの間にか先生の腕に包まれていた。
今回の旅は、沖縄の離島へ行くことに決まった。
決定してからも、いつ中止になるかわからない不安から、なるべく期待しないで待っていた。
先生は、若い先生と年配の先生の間の年齢でとても忙しい。
部活以外にも、生徒指導や、行事の係り、飲み会の幹事等…
仕事は山のようにあった。