白いジャージ2 ~先生と青い空~
テスト前に勉強をしない私達生徒に、先生は直球は投げない。
『勉強しなさい』なんて言わないんだ。
先生は、外国の貧しい子供達がどんなに学校へ行きたいと願っているかという話をしてくれたことがあった。
授業の最初の10分で、私達生徒は気持ちを入れ替えることができた。
食べ残したパンをゴミ箱へ投げるうちのクラスの生徒を見つけて、先生が本気で怒ったことがあった。
鋭い目をして、その生徒の胸ぐらを掴んだ先生は、その日のホームルームで食べ物の大切さを語ってくれた。
とてもわかりやすく…
私達の心に入ってくるんだ。
食べ物がなくて苦しんでいる子供達の話や、
戦時中の貧困の話。
先生の担当教科は体育。
先生は、体育の先生なんだけど、先生の頭の中にはたくさんの知識が入っているんだ。
そこがまた先生の人気の秘密。
先生は、生徒のオアシスのような存在だった。