負け組女子高生
高島さん―高島悠紀は、スラリとした体で、白い肌に綺麗な黒髪でモデルのような容姿だった。
悠紀の目にはいつも黒のアイラインが施されていたが、彼女のメイクはエリ達のような下品さがなく好感がもてた。
高島はいつも岡あゆみと二人で行動していた。
あゆみもまた高島とは違ったタイプの美人で、ファッション雑誌で時々読者モデルもこなしているらしい。
そのせいか学校にもあまり来ず、高島はよく一人だった。
無論彼女がそんな事気にしている様子もなかった。
私の隣に座った高島さんは、もくもくとおにぎりを食べ始めた。
私はちらっと横目で彼女を見た。
「あ、ごめん。一人でいたかった?」
私の視線に気付いた高島さんは、立ち上がろうとした。
「そんな事ない!一人だと寂しいし」
私は笑った。
本当は一人の方が落ち着く。
だけど彼女の存在は違った。
元々私は、彼女の持つミステリアスな雰囲気にひそかに憧れていたし、なんとなく彼女はウマがあう気がした。
「そう?」
高島さんはふと笑うとまた座り直した。
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