負け組女子高生
それから私と悠紀は、毎日の昼休みをその場所で過ごした。
それは岡あゆみが登校している時も変わらなかった。
岡さんほっといていいの？と私が聞くと、悠紀は｢あいつは一人でも平気な奴だから｣と笑った。
やがて教室でも一緒にいる時間が増えた。
始めもっていた悠紀への憧れはやがて尊敬へ変わっていった。
彼女にはしょうもない冗談から難しい話まで、なんでも話す事ができた。
そして、彼女の落ち着いた物腰は、同い年とは思えなかった。
それで何度か、留年してるんじゃないの？と冗談まじりに尋ねたが、彼女はまさか、と言って笑い飛ばした。
11月始め、席替えをした。
偶然にも悠紀と私は前後の席になった。
それから彼女は、毎休み時間は席を横向きに座って、何を喋る訳でもなく二人の時間を共有した。
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表紙・目次

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