負け組女子高生
ベッドで目覚めた私は、何も考えず立ち上がった。
それから靴も履かずに保健室を飛び出した。
後ろから先生が呼び掛ける声が聞こえたような気がしたけど、そんなの気にしなかった。
私は走って走って、悠紀が飛び下りたというビルの階段を駆け上がった。
立ち入り禁止と書かれたぼろぼろの紙を貼られた扉を押し開けて、地面が見える柵まで向かった。
足を引っ掛けて柵の向こうに立つと、足のずっとずっと下の方に、青い服に身をまとった警官達が小さく見えた。
あまりの高さに足が震えた。
こんな所から飛び下りる悠紀が理解できないよ。
足がすくむ。
私の目からこぼれた水は、ゆっくりゆっくり、ビルの下に落ちた。
しばらくそこで呆然とすると、私は何かを思い出したように屋上から飛び出し、階段をかけ下りた。
それからの事はよく覚えてないけど、私は自分の家に戻っていた。
階段を上がって自分の部屋に戻ると、私は机に置かれた英語のノートをぺらぺらめくった。
1番最後のページから、4つに折られた正方形の紙が出てきた。
なんで私はすぐに気付かなかったんだろう。
私は震える手で手紙を開いた。
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