夜明けを待って
………………………………
24歳、春。


「あたしが??ママ??」


あたしが以前働いていた店のママ、治子の一言が全ての始まりだった。


「引退したいんさ…もう歳も歳やからねえ…それであんたにこの店、譲りたいと思って。」


「ママ…ママが引退したいとかそう言うのはママが決める事やと思うけど。あたしでええ訳??」


治子ママはゆっくり首を縦に振った。


有力候補だった姉さん方は、結婚だの就職だので皆辞めていって…いつの間にかあたしが店の一番姉さんになっていた。
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